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先週からストラディヴァリのバイオリン「メシア」がクレモナに里帰りしています

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ビッグニュース! ついにオクスフォードの博物館から運び出され、クレモナに!

このMessiaという名前がつけられている、1716年のStradivariのヴァイオリンがクレモナにやってきたというのは、この業界の中?では結構ビッグニュースになります。
なぜかというと、、、あ、ここでわかりやすく説明してくれています(自分で書くべきところですが。苦笑)。

1716年製作のストラディヴァリのヴァイオリン「メシア」は、彼の他のヴァイオリンと異なり、一度も演奏されたことのないとされる楽器です。まるで、昨日ストラディヴァリの工房から持ち出されたかのようにオリジナルの状態のまま今日まで保存されているため、世界中のヴァイオリン製作家達にとってのシンボルとも言うべき存在となっています。

元々この楽器は、1775年にコレクターのコツィオ伯爵がストラディヴァリの息子パオロより購入した楽器の一つとされており、1827年にルイジ・タリシオの手に渡った後に、1855年にはフランスのヴァイオリン製作家ジャン・バプティスト・ヴィヨームの手に渡りました。タリシオはこの楽器を非常に大切に保存し演奏家の手に一切触れさせなかったため、当時のヴァイオリニスト、デルフィン・アラードが「君の楽器はまるで救世主(メシア)のようだ。待てど暮らせど一向に現れない!」と叫んだとされています。

その時より、このヴァイオリンは「メシア」という名称で呼ばれるようになりました。

その後ロンドンの楽器商ヒル一族の元に渡り、1939年より「全ての未来の楽器製作家の規範となるように」決して演奏に使用しないという条件の下にオクスフォードのアシュモレアン博物館に委託され、現在まで保管されています。

77年の長きに渡り、オクスフォードの博物館から一度も外に持ち出されることのなかったこの楽器が、今年300周年を迎えるのを記念してふるさとのクレモナに帰って来るのです。

2016年9月15日よりストラディヴァリの命日にあたる12月18日まで、ヴァイオリン博物館展示室にてご覧いただけます!
この機会に、是非クレモナにお越しください。

※クレモナ・ヴァイオリン博物館 (Museo del Violino)
住所: Palazzo dell’Arte, Piazza Marconi 5, 26100 Cremona, Italy
http://www.museodelviolino.org/
オープン時間: 火~日曜 10:00~18:00、月曜休館
入館料: オーディオ・ガイド(伊語、英語)含む
大人 --- 10ユーロ
団体・学生・65歳以上 --- 7ユーロ
団体添乗員、6歳までのお子様無料

情報提供:クレモナ・ヴァイオリン博物館 (Museo del Violino)、日本海外ツアーオペレーター協会

 

裏話というかプレゼンテーションで言っていたこと

このMessiaをクレモナで展示するプロジェクトは6年前から進められていたそうで、その間にも様々なやり取り、3年前のオクスフォードの博物館でのヴァイオリン エキシビジョンでは、クレモナのヴァイオリン博物館から数台ストラディヴァリが貸し出されてたりしました。

今回の展示に向けて、セキュリティーシステムの見直し?を改めて行ったり、Messia専用の展示用ガラスケースを用意したりと、気合の入り方が半端ないです(笑)。

また演奏する以外は様々な研究が許可されているようで、ヴァイオリン博物館の内部に設置されている研究グループ、キュレーター達による、音響、構造、ニス等などの研究がされる予定です。

 

他にも様々な楽器が特別展示されています

Jean Baptiste VUILLAUMEのヴァイオリン 3台

1855年にこのメシアを手にした、携わったとされる、フランスの有名なヴァイオリン製作家、Jean Baptiste VUILLAUMEの楽器も3台、メシアの近くに展示されています。私個人的にはこれら3台とメシアを見比べることが出来るのでウハウハしてます。

Giuseppe Guarneri filius Andrea のチェロ(1710年頃)

弦楽器鑑定家のCharles Beare氏とその息子のPeter Beare氏の会社、「Beare Violins Ltd」 より貸し出されており、これも12月まで展示されています。近々これも再度じっくり見ようと思います。
ちなみにGiuseppe Guarneri filius Andreaは、Antonio Stradivariと同じく有名なGuarneri Del Gesu (Giuseppe Guarneri)のお父さんにあたります。

Guarneri del Gesù Principe Doria'  ヴァイオリン (1734年)

昨年末より「日本ヴァイオリン」より貸し出されています。詳細はこちら。デルジェズ初期のとても洗練された、コンディションも良い素晴らしいデルジェズです。いわゆるデルジェズのヴァイオリンと言えば40年代から見られる荒々しい感じ、勢いのある感じの楽器がイメージとして強いと思いますが、この楽器はそれらとはまた違った雰囲気があります。以前Gregg Alf氏によるこの楽器の興味深いカンファレンスがありました。


 

ということで、今のクレモナのヴァイオリン博物館は見どころ満載となっています!
来週はいよいよ、クレモナの弦楽器フェア「モンドムジカ」があります。頑張っていきましょう!

Kosei WANO

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